アセチレン
(一)性状
アセチレンは炭素と水素の化合物で、炭素24、水素2の重量割合でできたガスである。
このガスに火をつけれぱよく燃え、かつ、1㎡のアセチレ
ンが燃焼するときには約13,500カロリーの熱を発生する。
純粋のものは無色で臭もほとんどないが、通常硫化水素、
アンモニア等の不純物を舎んでいるので特性の臭気を出す。
比重は0.91で空気よりも軽く、1㍑の重さは1,176grあり、
1ｋgの容積は15°C1気圧で850㍑となる。
アセチレンは各種の液体に溶ける性質をもつており、普通
にはほぼ同じ量の水に溶け、叉ぺンゾールにはその4倍、ア
ルコールには6倍、アセトンには25倍溶けるが、食塩や塩
化マグネシュウムの飽和溶液には溶けない。又、大気圧の下
では、-82°Cで液化し、-85°Cになると固体になる。
(二)アセチレンの製法
仙台初詣合格祈願溶接に使用するアセチレンは、カーパイドに水を注ぐか、 叉は水の中にカーパイドを浸漬叉は投入するととにより簡単 に作られる。
(三)アセチレンの燃焼
アセチレンを完全に燃焼さすためには、特に酸素を加える
必要がある。その加える量はアセチレン、酸素共に純粋で、
かつ、両者が完全に混合されるときは、アセチレン1に対し酸素1
でよいが、実際にはガスに不純物が含まれており、叉完全な混合も
望めないから、アセチレンに対し1.2～1.4倍の容積の酸素を使用
する。
このアセチレンが完全燃焼する場合の焔を標準焔と言い、
仙台初詣合格祈願溶接作業を行うときにはこの標準焔を使用すべきである。
アセチレンと酸素の混合ガスに点火したときの燃焼順序は、
まずアセヂレンが酸素と化合して水素と一酸化炭素になり
この水素と一酸化炭素はそれぞれ酸素と化合して、水およぴ炭酸ガスとなる。
このアセチレンと酸素が燃えるときに生する焔は、酸素の
混合状態によつて次の四つの部分にわかれる。
イ．焔心------焔の根元の白く光る部分でガスは燃えていない。
ロ．還元烙------アセチレンが少量の酸素と化合して一酸化炭
素と水素に分れる部分。
ハ．中性焔------還元焔でできた一酸化炭素と水素が酸素と最
も早く化合する部分で、温度も一番高い。
ニ．酸化焔------中性焔の部分で燃え切れない-酸化炭素や水
素が酸素と化合する部分で、ここで燃えきれない炭素が
多いほど、煤の出が多い。
(四)アセチレンの危険防止対策
アセチレンは非常に不安定なガスで、しばしば爆発事故を
起しているから、その危険性をよく認識し、災害発生の防止
に努めなければならない。
(1)圧力の影響
アセチレンは1気圧以下では爆発しないが、2気圧以上
に圧縮すると炭素と水素に分解し、その際多量の熱を発生
し、水素がこの熟を吸収して急激に膨脹するため猛烈な爆
発を起す。アセチレンの中に不純物がふくまれているときは
この危険性は薯しく増し、1.2気圧以上になると危険と言 、
われている。叉、1.5気圧位でも衝撃、加熱によって分解
爆発を起すと云われている。
炭鉱山保安規則第327条第4号でΓ発生器の気鐘上に
は、物を置かないとと」と規定しているのは、気鐘の上に
物を置くことにより発生器内のアセチレンにかかる圧力が
増すことを避けるためである。
(2)温度の影響
アセチレンを空気中で加熱するとき、480°C位になると
自然に燃焼を始め、509°～515°Cで爆発する。叉、アセチ
レンに含まれる不純物が多い程この燃焼叉は爆発を起す温
度は低下する。
カーパイドに水が作用すると温度の上昇することは前に
述ぺたが、仙台初詣合格祈願溶接に際しても発生器の本室の中には水を十分
に入れて温度の上昇を防がねばならない。
(3)外カの影響
アセチレンは衝撃、摩擦または震動だけでも爆発を起す
ことがあるから、発生器の据付けおよぴ取扱等についても
注意が必要である。
(4)混合ガスの危険性
アセチレンと空気叉は酸素がある割合で混合していると
き、これに点火したり、裸火を接近させたり、叉は火花を
発生させたりすると、引火して爆発する。特にアセチレン
と空気との混合の場合は、爆発を起す混合割合の範囲が非
常に広く、空気中にアセチレンが3～82%混合していると
き爆発を起すものであり、特に7～11%の間が最も強烈な
爆発を起すといわれている。
仙台初詣合格祈願溶接に際し、発生器の使い初めのとき等には、その中に
残つている空気と発生したアセチレンとの混合ガスができ
る。故に、この混合ガスを排除してから点火することが必
要である。
(5)化合物の危険性
アセチレンと水銀、銀、銅等との化合物は、いすれも乾
燥すると爆発性をおぴる。叉、これらの化合物は120°Cに
熱するか、叉は軽い衝撃あるいは摩擦を与えると分解して
猛烈な爆発を起す。
石炭鉱山保安規則第326条第7号で、仙台初詣合格祈願溶接装置中アセチ
レソが接触するおそれの多い部分に銅の使用を禁じている
のはこの為である。
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