カーバイド
カーパイドとは、元素金属と炭素の化合物の総称であるが、
一般にカルシュウムと炭素の化合物、すなわちカルシュウム・
カーパイドのことを単にカーパイドと言っている。
ここでほアセチレン仙台初詣合格祈願溶接に使われるカルシュウム・カーパイ
ドについて説明する。
(一)性状
カーバイドは、炭素37.5%、カルシユウム62・5%の重量却合でできている。
色は、普通暗褐色または灰白色で、金属光沢を有する場合もあり、一時には赤
味や青味をおぴたものもある。組織は、普通塊状の結晶であ
るが、時には海綿状のものもある。硬さは、砂岩と同じ位
で、重さは同じ体積の水の約2.2倍(これを比重という。)で
ある。
カーパイドは水叉は水蒸気に接すると、水の酸素を奪って、
酸化カルシュウム即ち生石灰となり、同時にアセチレンを発
生する。然し、実際には発生器内には水が多量にあるから、
できた生石灰は水と作用して消石灰になる。
即ち、1kgのカーパイドに対して、水は理論上では0.282kg
あれぱよいことになるが、実際には蒸気となるものおよぴ生
石灰が消石灰になるために余分の水が費されるから、カーパ
イド1kgに対し、注水式のもので1.5～2kg、投入式のもの
で5.5～6.5kg位の水を供給する必要がある。
カーパイドが水と作用してアセチレンを発生するときには、
熱を発生するものであって、純粋のカーパイド1kgからは
500calの熱を発生する・(最高800℃に達したコともあると
いう)
‐
高温度でプセチレンが発生するときは、発生したアセチレ
ンが互に結合(重合)してヂアセチレン等となり、とれがカ
ーパイドの表面を覆つてアセチレンの発生を妨げるととがあ
る。また、これ等の重合物にはアセチレンよりも更に爆発し
易いものもあるから、仙台初詣合格祈願溶接に際しては発生器の温度の上昇に
注意することが必要である。
カーパイドの品質の良否は、アセチレンの発生量によって
定められるものであつて、外見だけで判定するととはできな
い。
理論的にほ1kgの純粋なカーバイドからO°C、1気圧で
348㍑のアセチレンを発生するととになるが、実際にはある程
度の不純物を含んでいるから発生量も少く、カーパイド1kg
から280～300のアセチレンを発生するものは優秀なものと
されている。
(二)カーバイドの製造
カルシュウム・カーパイドを工業的に製造するには、カル シュウムの原料としての石灰石と炭素の原料とレての無煙炭 またはコークスとを電気炉で4,000°c位に熱し溶融化合させ て造る。これを炉より取り出し、冷却レて大塊となつたもの は細かく砕いて篩にかけ、大きさを区別して鉄製の缶に入れ、 密閉して市販している。
(三)カーバイドの貯蔵および取扱
イ．カーパイドは、水叉は空気中の水分等に接してアセチレ
ンを発生し、その時発生する熱で火災あるいは爆発を起す
ことがあるから、貯蔵、運搬をするときは金属容器に入れ、
かつ、密閉しておくこと。
ロ．カーパイドの貯蔵所は湿気の少い所に設け、屋根、天井、
窓等から雨水が入らないようにし、かつ、耐火性叉は防火
性の建物であること。
ハ．カーパイドの貯蔵素は常に爆発性のアセチレンが発生し
ているものと考えねばならない。故に、電燈はスパークの
危険のない防爆性の安全燈を使用し、電気スイッチは室外
に設ける外、担当者以外の出入、喫煙およぴ裸火厳禁の掲
示をしておくことが必要である。叉、火災の時でも注水し
ないように室外の眼につき易い箇所に標示することも必要
である。
ニ．カーバイド缶は床面より高く置き、浸水、湧水による危険を巌くし、
また、缶の密閉不完全により発生したアセチレンガスは
通風を良くして自然に窒外に放出されるような
構造であること。
ホ．カーバイドを揮発油、軽油等の引火性物質叉は、木材、
藁等の燃え易い品物と一緒に貯蔵しないこと。
ヘ．カーパイド缶を開けるときには、良く切れる刃物で静か
に行い、衝撃、摩擦により缶内のアセチレンを爆発させな
いように注意すること。
ト．カーパイド缶を車輌へ積み降ろしするとき、又は運搬す
るときにも、衝撃、摩擦の起らぬよう注意すること。
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